製粉工場見学

*江別市内の製粉工場見学*

  今回は、江別市内の製粉工場を見学しました。戦後の復興の中、アメリカから送られた小麦を粉にする仕事が
 全国各地で始まりました。
  北海道では、水田の裏作として栽培されていた小麦。1700年代に道東で作られた記録が残っています。
  現在、江別市は北海道有数の小麦産地としてその名が全国に広まりつつあります。

*今、求められている小麦粉とは*

 小麦粉は、含有するグルテン(たんぱく質)の量、質によって強力・中
力・薄力に分けられるのはご存知のとおりです。
 国内で需要が多い小麦粉は、パンや中華めん作りに適した強力粉ですが、
北海道で生産されている小麦粉の90%以上が、うどん作りなどに適した
薄力粉です。
 日本国内で収穫される小麦の過半数を、北海道産が占めているという現
実の中で、消費者に求められているパン・中華めん作りに適した小麦粉を
生産できないものだろうか‥そんな思いから、江別市内の製粉会社と生産
者、関係諸機関の試行錯誤が始まりました。
            
*幻のブランドは春まき*
  従来、小麦は秋に種まきが行われてきました。雪の中でじわじわと発芽
 させ8月初旬に収穫します。(かまくら効果…といって、雪の中は氷点下
 にはなりません。)北海道の主力ブランドである「ホクシン」・「ホロシ
 リ」などがそうです。この方法に比べ、春まきの品種は種まきが4月後半、
 収穫が8月中旬であり、短い生育期間ゆえに天候不良などによって品質や
 収量の変動が大きく、生産者側には敬遠されがちでした。その春まきで育
 てられているのが日本一有名なブランド小麦である「ハルユタカ」、そし
 てハルユタカの後継品種である「春よ恋」です。この春まき小麦2種は、
 たんぱく質含有量が多いだけではなく、さらにアミロペクチン(でんぷん
 の主成分)が従来の品種よりも多いため、パンに焼き上げるとモチモチと
 しておいしいということがわかってきました。

  これからは、店頭でレストランで、色々な製品に姿を変えた北海道産の
 小麦たちに出会える日が増えてくるでしょう。


 

↑秋まき小麦 『ホクシン』

↑春まき小麦『ハルユタカ』
*実際に焼いてみた*
  さとらんど内の調理室に移動し、講師の方の指導のもと、パン作りに挑戦しました。使用した小麦粉は、もち
 ろん北海道産のハルユタカブレンド粉(配合割合は、企業秘密!)。焼きあがったパンは、モチモチとした食感
 があり、香ばしくてとてもおいしかったです。